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災害支援ナース インタビュー | 被災地に寄り添う「医療と生活支援」のリアル

災害支援ナース インタビュー | 被災地に寄り添う「医療と生活支援」のリアル

  • 2026/10/26
  • お知らせ

令和8年熊本地震の発生後、清恵会病院・救命センターの森看護師は、登録しているNPO法人からの要請で被災地での支援活動に従事しました。森看護師は厚生労働省登録の災害支援ナースでもあり平時から備えていますが、今回は公的派遣ではなくNPO通じた活動としての現地入りです。被災地でどのような支援が求められ、看護師として何を感じたのか話を聞きました。

① 派遣先と活動期間について教えてください。

森看護師

今回活動したのは、被害の大きかった熊本県八代市とその周辺地域です。地震発生から2日後の7月30日に現地に入り、8月7日まで活動しました。

②災害派遣はどのような経緯で決まったのでしょうか?

森看護師

今回は登録しているNPO法人から派遣要請を受けました。災害発生後に先遣隊が現地で被害状況や必要な支援を確認し、その情報をもとに登録メンバーへ要請が出され、条件の合う者が現地に入ります。私は平時から複数の災害支援団体に登録しており、今回はその中の一つの要請を受けて活動しました。
※森看護師は災害支援ナースに登録していますが、今回の活動は都道府県等による公的な派遣ではなく、NPO法人からの要請によるものです。

③ 現地に入られた直後はどのような状況でしたか?

森看護師

発災直後で状況は刻々と変化しており、DMATをはじめ各チームが情報収集や調整を行う段階でした。八代市周辺でも福祉施設などの状況が十分把握できていなかったため、まずは施設を訪問し、利用者や職員の状況、水・電源・医薬品などのライフラインを確認する施設アセスメントを実施しました。その後、避難所の状況確認へと活動を広げました。

④ 現場では、具体的にどのような活動をされたのでしょうか?

森看護師

アセスメントを行った施設で、8月1日から継続的な支援を始めました。被災した施設では利用者さんの生活スペースを確保するための片付けや清掃、洗濯などの環境整備が必要でした。施設の職員の方々も被災者です。それでも利用者さんのケアを継続しなければなりません。彼らが利用者さんの支援に専念できるよう、私たちは生活環境を整える活動を担いました。
一見「なぜ看護師が片付けや洗濯を」と思われるかもしれませんが、被災者の健康を守るには医療処置だけでなく安心できる環境も重要です。その間も、熱中症や感染症の兆候、服薬状況など、看護職としての健康状態の確認を並行して行いました。災害時は復旧の過程で必要な支援が変化するため、その時その場所で何が必要かを見極める重要性を改めて感じました。

⑤ 今回の派遣で、特に印象に残ったことは何ですか?

森看護師

今回活動した地域では、重篤な外傷への対応だけではなく、被災後の生活をどのように維持するかというニーズが大きかったことが印象に残っています。
地域の医療機関や薬局も、被災しながら可能な範囲で医療や医薬品の提供を再開していました。そのため私たちの活動では、医療処置そのものだけでなく、福祉施設や避難所の環境を整え、利用者さんの健康状態を確認するなど、生活に密着した支援が大きな部分を占めました。
今回の経験から、災害が起きてから対応するだけでなく、平時から医療や福祉を継続できる体制を整えておくことの重要性を改めて実感しました。

⑥ 今後、災害看護にどのように関わっていきたいですか?

森看護師

今後も災害が発生した際には、要請に応じて所属施設や関係機関と調整しながら現地での支援に携わりたいと思っています。また、今回の経験を若い看護師たちへ伝承する活動にも力を入れる考えです。
災害看護の知識を持つ看護師が増えることは、遠くの被災地を支援するためだけではありません。もし私たち自身の病院や地域が被災したときにも、限られた資源の中で状況を判断し、必要な看護を届け続ける力につながります。
今回の経験を次の世代に伝え、災害支援ナースをはじめ、災害時に適切に活動できる看護職の育成にも関わっていきたいと思っています。

【インタビューを終えて】

今回のインタビューから、災害時の看護は「医療行為」だけで完結しないことが見えてきました。被災者の健康を守るには生活環境にも目を向ける必要があり、被災した現地の医療・福祉従の負担を軽減し、本来の支援を継続できる環境を整えることも重要です。
現地で必要なことをアセスメントし、看護の専門性を生かしながら多職種・多機関と協働する。森看護師の経験は、災害看護の幅広さを伝えるものでした。

 

清恵会看護部は看護師一人ひとりの「挑戦したい」「学びたい」という想いを全力で応援しています。

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