スポーツ関節鏡センター

スポーツ関節鏡センターの特色

スポーツ活動によって引き起こされる骨・筋肉・関節の機能障害を治療、予防する臨床医学を「スポーツ整形」といい、その治療のコンセプトは障害によって引き起こされた機能低下を最小限にとどめ、スポーツ現場への復帰を果たすことにあります。そのためリハビリを最大限に駆使し、時には手術を施すこともあります。

当センターでは、障害のみでなくスポーツによる外傷に特化した治療も行っています。 関節内のスポーツ障害・外傷に関しては、手術による機能低下を最小限にできる関節鏡視下手術が最も効果が発揮されます。特殊な技術を要しますが、スタッフはこの手技に精通しており、さらに日々研鑽を積んで、刻々変化している新しい技術の習得にも努めています。

関節鏡手術と対象疾患

関節鏡とは小さい鏡(内視鏡)を5mm~1cmの傷から関節に入れて関節内部を調べ、異常があれば修復処置をも中をのぞきながら行ってしまおうという夢のような治療法です。それまでの直視下手術(従来の切開する手術)と比べて手術創が小さく低侵襲で、その分手術後の疼痛が軽減されます。

関節鏡は関節内に水圧をかけてふくらませ、さらに内視鏡で拡大して観察します。この「ふくらませて」「拡大する」ことで診断でき、より詳細な手術操作が可能となります。また、病変が重複して存在する場合でも少ない手術侵襲で複数の病変に手術操作が行える鏡視下は有用です。

対象疾患

現在、鏡視下手術の対象となる疾患は以下の通りです。

●肩関節

中年期から壮年期の「五十肩・凍結肩・肩腱板断裂」、肩関節不安定症のなかでも「反復性肩関節脱臼」、スポーツによる「投球障害肩」など

●肘関節

スポーツにおける「肘離断性骨軟骨炎(直視下手術併用)・肘関節内遊離体・肘頭骨棘障害」、使い痛みとして知られる「難治性テニス肘」、老化による「変形性肘関節症・肘関節拘縮」など

●膝関節

膝関節周囲の靭帯損傷のなかでも「前十字靭帯再建手術」、「半月板損傷」など

●足関節

スポーツによる「離断性骨軟骨炎・関節内遊離体・骨棘障害」、バレエやダンスといった足関節底屈の際の後方痛「足三角骨障害」など