人工関節リウマチセンター

人工関節リウマチセンターの特色

人工関節リウマチセンターでは、変形性関節症などの加齢性関節疾患、また全身性関節疾患である関節リウマチなどのリウマチ性疾患を加療しています。保存的治療から手術療法まで、疾患進行度に応じて総合的に加療しています。

主な診療内容と取り組み

リウマチ関節外科外来では、種々の関節疾患において、正確な診断のもと、最も効果的な治療方法を検討し、提供しています。 保存的治療においては、リハビリテーション部門と緊密に連絡を取り、患者様それぞれに応じた最適な治療を施行しています。関節リウマチの生物学的治療も積極的に行なっています。

手術治療に関しては、主に股、膝関節の人工関節置換術を行っています。綿密な治療計画をたて、術前説明を入念に行い、患者満足度の高い治療を目指しています。

疾患の解説と治療

変形性関節症

変形性関節症とは様々な原因により関節の痛みや腫れを生じ、さらに進行すると軟骨が完全になくなってしまい、徐々に悪化し関節の変形を来す病気です。多くの場合、体重のかかる関節である膝関節や股関節に起こって来ます。

膝関節(変形性膝関節症)

この病気は高齢女性に起こる事が多く、多くの場合は膝の内側から軟骨がすり減って来ます。進行すると痛みで歩けなくなったり、O脚変形(内反型変形)が進行する事があります。

股関節(変形性股関節症)

多くの原因は先天性股関節脱臼(乳幼児期の股関節脱臼や適合不全)や臼蓋形成不全症に続いて起こるものが多くみられます。また、高齢者の場合は上記のような背景がなく、骨折後や加齢とともに徐々に進行する関節症も増えています。

関節リウマチ

関節リウマチは関節の内面をおおっている滑膜(かつまく)という膜に炎症が起こり、進行すると軟骨・骨が壊れていく病気で患者数は日本で約70~80万人と言われています。

発症年齢のピークは30~50歳ですが、最近は高齢者の方が発症するケースも増加しています。

性別に関しては男性より女性の方が3~4倍多いと言われており、女性の発症率が高いので中高年女性にはとても身近な病気と言えます。病気の慢性化により軟骨や骨が破壊され、日常生活に支障を来す事になります。

関節リウマチは現在も決定的な原因や確実な治療法がわかっておらず、今のところ根治療法は見付かっていませんが、近年では生物学的製剤と言う病気の進行をほぼ無くしてしまう事が出来る画期的な注射薬が出来ています。この注射薬は世界中で使用されており、満足のいく臨床結果が出ています。

当院でも施行しておりますのでご相談下さい。

人工関節置換術

変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患を治療する代表的な手術療法の一つであり、軟骨が病気によって痛んで変形した関節の表面を取り除いて人工関節に置き換える手術です。

初期、進行期の関節症には投薬や関節注射などで対応可能ですが、さらに進行し、変形性関節症が進行してくると、骨と骨が当たり強い痛みや変形が生じます。いったん関節の軟骨が失われてしまうと、現在の医療では再生させることは不可能であり、痛みを取る為には人工関節の手術が必要となって来ます。

膝の人工関節手術に関しては日本でも年間8万人以上、股関節に関しても年間5万人以上の方が手術を受けられています。