脳神経外科

このページの目次
  1. 診療内容・専門分野
  2. 疾患と治療
  3. 脳血管内治療とは
  4. 治療実績
  5. 外来診察のご案内
  6. 脳ドックのご案内
  7. 診療スタッフ
  8. 学会発表
  9. 連携大学・学会認定医制度
  10. JND事業参加についてのお知らせ
  11. 当院で超急性期脳梗塞に対する血管内治療を受けた方へ

診療内容・専門分野

  • 日本脳卒中学会「一次脳卒中センター(PSC)」認定施設
  • 24 時間 365 日、脳卒中診療医が常駐
  • 24 時間 365 日、開頭手術にも血管内治療にも対応可能
  • 4人のスタッフ全員が日本脳神経外科学会専門医
  • 3人のスタッフが日本脳卒中学会専門医

大阪府 堺市にある清恵会病院 脳神経外科では、脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)、未破裂脳動脈瘤や頸部頚動脈狭窄のような脳血管障害、脳腫瘍、水頭症、頭部外傷などに対する手術治療を行っております。

特に脳卒中急性期の患者様に最善の治療結果をもたらすには、脳血管内手術を含めた手術治療を中心としたあらゆる手段を即座に選択、実施する必要があるため、 2015年1月からは脳卒中センターを開設し、脳卒中を専門とする医師が常駐して救急患者様を受け入れ診療に当たり、24時間365日昼夜を問わず、超急性期の脳梗塞やくも膜下出血に対する血管内治療や開頭手術を行っております。その上で、重症度の高い患者様については、SCU(脳卒中集中治療室)やICU(集中治療室)で高度な全身管理を行っています。

疾患と治療

脳卒中の予防

脳卒中の予防

未破裂脳動脈瘤

脳動脈瘤は脳の動脈にできたコブのことで、破裂するとクモ膜下出血を引き起こす疾患です。破裂していない脳動脈瘤を未破裂脳動脈瘤と呼びます。未破裂脳動脈瘤の多くは症状をきたしません。しかし、中には年々大きくなって神経を圧迫したり、破裂してクモ膜下出血を引き起こすことがあります。くも膜下出血は発生すると半数以上の方が死亡するか社会復帰不可能な障害を残してしまう極めて重篤な病態です。この出血率は個別の瘤により異なるため一概にその危険性をまとめることは困難ですが、総合すると年0.5~3%の破裂の危険性があるといわれています。大きさの大きい瘤、脳の後方にできる瘤、形のいびつなもの、多数できている瘤、また喫煙者、高血圧を有する患者、高齢者は破裂率が高いと考えられています。

当科では、クモ膜下出血の予防として、未破裂脳動脈瘤に対する治療にも積極的に取り組んでいます。治療法としては、開頭して手術顕微鏡を用いて行う脳動脈瘤クリッピング術と、脳血管内治療による脳動脈瘤コイル塞栓術があり、そのどちらも行える体制です。どちらの治療が適切かは患者様の状態や脳動脈瘤の部位などを基準に判断しています。

脳動脈瘤クリッピング術
脳動脈瘤クリッピング術
クリップをかけて脳動脈瘤への血流を遮断する
脳動脈瘤コイル塞栓術
脳動脈瘤コイル塞栓術
脳動脈瘤の中にコイルをつめて、血液が流れ込まないようにする

未破裂脳動脈瘤の治療の適応については、「日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(=UCAS Japan)」(注)の結果に基づき、患者様本人は勿論、ご家族とも十分に相談した上で治療を行うかどうかを決めています。

注:日本脳神経外科学会が主体となり、動脈瘤の経過と、診療の実態を把握することを 目的に行われている調査。未破裂脳動脈瘤のデータを広く収集して調査されています。

頚部頸動脈狭窄症

頸部頸動脈狭窄症とは、頸部の頸動脈分岐部に動脈硬化性粥状変化により血管の狭窄を生じ、これが原因で脳血流量の低下をきたしたり、頭蓋内塞栓の原因となったりして脳梗塞を起こす原因となりうる疾患です。食生活の欧米化に伴い我が国でも増加している疾患です。

狭窄の程度が強くなると、その後の脳梗塞を予防するために観血的手術である頸動脈内膜剥離術もしくは脳血管内治療である頚動脈ステント留置術が必要となります。高齢化が進み麻酔をかけるリスクが高い患者様に対しては侵襲度の低い頚動脈ステント留置術を積極的に行っております。

頸動脈ステント留置術(CAS)
1.ワイヤー通過

1.ワイヤー通過

2.遠位遮断

2.遠位遮断

3.ステント留置

3.ステント留置

stend2_1

ステント治療前

stend2_2

ステント治療後

脳腫瘍

脳腫瘍

脳腫瘍とは頭の骨(頭蓋骨)の内側に生じるできもの(腫瘍)のことです。頭痛、嘔吐、目のかすみが代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。けいれん発作も脳腫瘍の初発症状として重要です。頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作といった一般的な症状に加えて、脳腫瘍の発生した部位の働きが障害されて、麻痺や言葉の障害、性格変化などさまざまな症状が出現してきます。無症状の場合は経過観察されることもありますが、治療を必要とする場合には手術が基本となります。腫瘍の性質によっては放射線治療、化学療法などの補助療法を組み合わせなければならない場合もあります。

水頭症

水頭症

水頭症とは何らかの原因によって脳の周囲にある水(髄液)の循環・吸収障害が起こり,その結果,脳室の異常拡大が生じたものです.脳内出血やクモ膜下出血などによって生じる二次性の水頭症と特発性水頭症があります。急激に起こった水頭症では意識障害を生じ緊急で脳室ドレナージ術が必要です。また、徐々に起こる水頭症でも認知症に似た症状や歩行障害、尿失禁などを生じ脳室腹腔短絡術で治療を要することがあります。

頭部外傷

頭部外傷

慢性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫などの手術治療を行っております。

脳血管内治療とは?

脳血管撮影装置 GE社製 Innova IGS 630
脳血管撮影装置

脳血管内治療とは、カテーテルと呼ばれる細い管を血管の中を通して病変まで誘導し、病変を治療する方法で、近年注目を集めています。脳血管内治療の特徴は何と言っても「切らずに治す」ことです。そのため基本的には局所麻酔で可能であり患者様の負担が非常に小さく、治療後の安静期間も少ないため入院期間も短くなります。

脳血管内治療は主にくも膜下出血や脳梗塞のような脳卒中の治療及びその予防に使われています。

くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対しては従来全身麻酔下での開頭手術で治療されていましたが、当院では患者様の状態や脳動脈瘤の位置、大きさ、形状によって、開頭手術と脳血管内治療のうち最適と思われる治療手段を選択して治療するようにしています。

また、脳梗塞に対しては、発症から4.5時間以内であればtPA静注療法と言う血栓を溶かす薬によって治療を行った上に、MRIにて脳の主幹動脈(内頚動脈や脳底動脈など太い動脈)の閉塞が見つかれば、脳血管内治療により速やかに血栓を取り除くことによって脳梗塞の悪化を止めるだけでなく、劇的な神経症状の改善を期待できるようになっています。

また、頚動脈狭窄症に代表される脳血管の狭窄病変(細くなっていること)による脳梗塞の予防のためにステント留置術も積極的に行い脳卒中の予防にも努力しております。 当院の脳血管撮影装置は米国のGE Healthcare社の新型であり、常に2方向からの透視による病変の確認をしながら治療を行うことが出来ます。

三次元脳血管撮影像

当科で治療した年々大きくなった大型脳底動脈瘤の3次元脳血管撮影像です。脳動脈瘤と周囲の血管の状態が非常によく分かるため、術前に十分な検討が可能でした。


脳底動脈瘤 術前
術前
脳底動脈瘤はコイルにより完全に塞栓され、正常の脳底動脈の血流は維持されている。
術後、脳底動脈瘤はコイルにより完全に塞栓され、
正常の脳底動脈の血流は維持されている。

治療実績

脳神経外科 入院患者数

大阪府 堺市 清恵会病院 脳神経外科脳卒中

手術件数

                                   
2018年 2019年 2020年 2021年
脳腫瘍 12614 6
脳血管障害 533643 38
外傷 896661 56
脳血管内治療 8692109 106
283633 57
合計 268236260 263
  • 「直達手術」とは開頭(切る)手術で、ここでは脳腫瘍・脳血管障害・外傷ならびにその他として開頭し処置を行った件数を計上しています。
  • 「脳血管内治療」は開頭せずカテーテルなどを使用し行った件数を計上しています。

外来診察のご案内

頭痛、めまい、しびれや精神神経症状等の原因となる脳腫瘍、神経奇形、脊髄・脊椎疾患、機能的神経疾患、および非症候性脳血管病変(未破裂脳動脈瘤、脳主幹動脈閉塞等)といった脳神経外科対象疾患に対し、外来診察を行っています。
CTは当日、MRIによる検査も必要に応じて、当日もしくは数日以内に行い、迅速な診断を心がけています。

脳ドックのご案内

近年、強い要望がある脳内病変の早期診断を目的として、脳ドックを行っております。電話でのご予約も承っており、比較的低予算で脳検査およびご説明をさせていただきますので、日頃なかなか時間の取れない方にはお勧めです。

脳ドックについての詳細はこちら

診療スタッフ

役職・氏名・卒業年度 専門医
副院長、脳神経外科部長、脳卒中センター長
奥村 嘉也(S62奈良医大卒)
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医 、日本脳卒中学会脳卒中専門医・指導医 、日本脳卒中の外科学会技術指導医
医員
下村 隆英(S47奈良医大卒)
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 、日本脳卒中学会脳卒中専門医
副部長
木村 僚太(H9奈良医大卒)
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医 、日本脳卒中学会脳卒中専門医・指導医 、日本脳卒中の外科学会技術指導医 、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医・指導医
医長
河合 寿諮(H20奈良医大卒)
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医・指導医 、日本脳卒中の外科学会技術認定医 、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医

学会発表

令和2年度 脳神経外科「学会・研究会発表」はこちら

連携大学・学会認定医制度

連携大学

  • 奈良県立医科大学脳神経外科学教室

学会認定医制度指定状況

  • 日本脳神経外科学会専門医研修プログラム連携施設
  • 日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院
  • 日本脳神経血管内治療学会研修施設

JND事業協力についてのお知らせ

JNDに関するお知らせ

研究班ホームページ(一般社団法人日本脳神経外科学会)
>> http://jns.umin.ac.jp/

当院で超急性期脳梗塞に対する血管内治療を受けた方へ

研究実施のお知らせ

研究の題名:超急性期脳梗塞に対する血管内治療において、大口径バルーン付きガイティングカテーテルをシースレスで用いることの有効性の研究

研究の目的、方法と意義について

主幹動脈急性閉塞による超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法は標準治療となっており、当院の脳卒中センターでも日夜積極的に取り組んでおります。この治療には大口径のバルーン付きガイディングカテーテルが標準で使用されるため、一般的に大口径シース(カテーテルを挿入する支えとなる筒状の機材)を動脈内へ挿入して行われています。しかし、大口径のシース挿入は穿刺部合併症のリスクとしてよく知られており、近年大口径のガイディングカテーテルが必要となる脳動脈瘤や頸部頸動脈狭窄など他の疾患の治療においては大口径シースを用いないシースレスでの手技によりカテーテルを挿入する動脈の穿孔径を少しでも細径化することで穿刺部合併症を減らすことが一般的になっています。 そこで我々は、カテーテルを挿入する動脈の穿孔径の細径化のため、大口径バルーン付きガイディングカテーテルをシースレスで使用して血栓回収を行う手技を考案し、過去に当院で一般的な大口径シースを用いて行った血栓回収療法の結果を比較検討することで、穿刺部合併症を減らすことが出来るかを研究しています。この研究の結果は学会や論文にまとめ公開する予定です。

対象

2015年~2019年までに清恵会病院脳神経外科で超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法を受けた患者さんが対象となります。

項目

年齢、性別、術前の抗血栓薬服薬の有無、既往歴、脳梗塞発症前の状態(modified Rankin Scale)、tPA(tissue plasminogen activator)投与の有無、術前後に行ったCT, MRIの所見、発症から来院までの時間、発症からtPA投与までの時間、発症から血管内治療までの時間、発症から閉塞部の再開通までの時間、閉塞部再開通の程度(TICI:thrombolysis in cerebral infarction grade)、退院時の状態(modified Rankin Scale)、以上のデータをカルテから抽出します。

拒否機会の保障と連絡方法

この研究の結果は個人の特定が出来ない形でデータ解析が行われますが、カルテデータの研究参加を拒否する事が可能です。該当期間に手術を受けた患者さんで、ご自身の記録を研究に利用されることを望まれない方は、下記連絡先まで、メール又はFAXにてご連絡ください。この研究への情報提供を停止させて頂きます。ただし、お申し出いただいた時に、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。また、不明な点やご心配なことがございましたら、ご遠慮なく下記連絡先まで、メール又はFAXにてご連絡ください。この研究への情報提供を希望されない場合でも、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。

お問い合わせ等の連絡先

清恵会病院 脳卒中センター 副部長 木村僚太
メールアドレス:r-kimura@seikeikai.or.jp
FAX:0120-34-8199